多くのセレブやスーパースターたちが取り入れたことで、人気に火がついたケトジェニックダイエット。
ダイエットがさかんな海外では、「ケトダイエット」がGoogle検索1位を獲得したり、ケトジェニックダイエットに関する食品の販売量が増えているそうです。
マサチューセッツ州のフレーミンガム州立大学チームが発表した論文によると、低糖質・高脂質の食事を20週間続けた過体重の人のグループは、高糖質・低脂質の食事を続けたグループと比べ、1日の消費カロリーが約250キロカロリーも多かったという報告があります。
さらにスペインで行われた、20人の肥満者を対象にした研究によると、参加者は4カ月で平均18キロ痩せたそうです。
エクスペリメンタル・アンド・クリニカル・カルディオロジー誌には、肥満者3人が6カ月ケトダイエットを行ったところ、平均で15キロの減量に成功し、悪玉コレステロールが減少、善玉コレステロールが増加したと掲載されています。
そんなケトジェニックダイエットとはどのようなダイエット方法なのでしょうか?
- ケトジェニックダイエットとは?
- ケトジェニックダイエットのルール
- ケトジェニックダイエットのOK食材とNG食材
- ケトジェニックダイエットの減量以外の効果
- ケトジェニックダイエットのデメリット
- ケトジェニックダイエットは専門家の意見が割れている
- まとめ
ケトジェニックダイエットとは?
略してケトダイエットと呼ばれるケトジェニックダイエット。
もともとは1920年代にてんかんの治療のために開発された食事療法でした。
ケトジェニックダイエットは、炭水化物の摂取を控え、たんぱく質と特に脂質を多くとることで減量するダイエット方法です。
私たちの体や脳を動かすエネルギーは、炭水化物・タンパク質、脂質の3つの栄養がありますが、この中で炭水化物が優先してエネルギーとなります。
そのため毎食炭水化物を食べていると、脂肪がエネルギーとして使われることはありません。
そこで炭水化物の摂取を制限して、脂肪をエネルギーとして使おう!というのがケトジェニックダイエットの考え方です。
体内の糖質が足りなくなると、脂肪が分解され「ケトン体」というエネルギー源に変化します。
このケトン体がケトジェニックダイエットの名前の由来です。
そしてケトン体が血液中に増えた状態のことを「ケトーシス」といいます。
ケトーシスは脂肪燃焼のスイッチが入った状態です。
そのため、脂肪をエネルギーに変えてどんどん燃焼させます。
体についた脂肪だけでなく、皮下脂肪や内臓脂肪もです。
平均的な食事は、炭水化物が55%、たんぱく質15%、脂質30%のバランスですが、ケトジェニックダイエットでは、摂取カロリーの70%以上を脂質、タンパク質は15~20%、炭水化物は5~10%の食事バランスになるようにします。
そうすることで、体はケトーシス状態になり脂肪をエネルギーとして使う体になることができます。
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ケトジェニックダイエットのルール
①糖質は、1食20gまで
ケトジェニックダイエットで摂取できる糖質の量は1食20g以下、1日当たり60g以下までです。
1食20gの糖質を計算すると、
ご飯だと約50g(お茶碗の3分の1)、食パン8枚切りを1枚(約50g)、パスタ(乾麺)約30gとなります。
ただし、糖質の量が100g当たり10g未満の食品は「低糖質食品」となるため、1食分の糖質の量に含めません。
例えば、100g中糖質10g未満のこんにゃく入りの低糖質ごはん、寒天入りの低糖質麺、低糖質パンなら、含まれる糖質が少ない分、普通のご飯やパンより多くの量を食べることができます。
糖質ゼロなら、スイーツもOKです。
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②タンパク質は体重1kg当たり1.2~1.6g
2つめのルールは、1日に「体重1kg当たり1.2~1.6gのタンパク質」を食べることです。
例えば体重60kgの人の場合、60×1.2~1.6g=72~96gのたんぱく質が必要となります。
タンパク質量の目安は
肉(100g)20g
魚肉(100g)20g
卵(1個)6g
大豆(100g) 10g
豆腐(300g)20g
豆乳(100ml)7g
納豆(1パック40g)6.6gです。
体重60kgの人の場合、1日360~480gの肉を食べなければいけません。
しかし肉だけ、魚だけでたんぱく質をとると、ビタミンなどの栄養素が偏ってしまいます。
動物性たんぱく質だけでなく、大豆製品などの植物性たんぱく質を組合せてとるようにしましょう!
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③食物繊維は1日20g以上
食物繊維は1日20g以上が目標です。
葉野菜なら400gのサラダで約20g分の食物繊維をとることができます。
しかし野菜でも根菜類(にんじん、ごぼう、れんこんなど)やイモ類は、糖質が多いので控えてください。
また果物類も、果糖が多いのでNGです。
きのこ類・海藻は糖質が少ないので積極的に食べてOK!
特にわかめ、コンブ、ひじきなどの海藻類は、ミネラルを多く含むのでおすすめです。
たんぱく質以上に、食物繊維をとるようにしましょう。
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ケトジェニックダイエットのOK食材とNG食材
<ケトジェニックダイエットのOK食品>
- 牛・豚・鶏・羊など肉類全般
- ベーコン、ハム、ソーセージなどの加工品
- 魚介類全般
- 納豆、豆腐などの大豆製品
- 卵
- バター、植物油などの食用油
- チーズ、生クリームなどの高脂肪乳製品
- ピーナッツ、アーモンド、くるみなどのナッツ類
- 葉野菜
- 糖質の少ない野菜:ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、レタス、アボカド、ピーマン、なす、トマト、アスパラガス、きゅうり、さやいんげんなど
- 海藻類
- キノコ類
- 焼酎、ウォッカ、ウイスキーなどの蒸留酒、辛口ワイン、シャンパン
- 塩、コショウ、酢、マヨネーズ、スパイスなど糖質の少ない調味料
- 無糖のお茶
- コーヒー(少量のクリームなら加えてもOK)
- 人工甘味料(少量)
- カカオ比率の高いチョコレート
<ケトジェニックダイエットのNG食品>
- 炭水化物:ごはん、パン、パスタ、うどん、そば、ピザなど穀物を使った食品
- フルーツ全般(ドライフルーツ含む)
- 糖質の多い野菜:根菜類、いも類、トウモロコシなど
- スナック、お菓子全般
- マメ科の食品:豆類、えんどう豆、ひよこ豆、レンズ豆
- 糖質の多いアルコール:ビール、日本酒、梅酒、紹興酒などの醸造酒、甘口ワイン、甘いカクテルやサワー類
- 甘い飲み物:フルーツジュース、野菜ジュース、スムージー、炭酸飲料、加糖のお茶やコーヒー
- 糖質を含む調味料:砂糖、みりん、ケチャップ、ソース、ドレッシング
- 牛乳・ヨーグルト(乳糖が含まれるため)
- 甘味料:はちみつ、メープルシロップ、アガベシロップなど
ケトジェニックダイエットの減量以外の効果
空腹を感じにくくなる
消化に時間がかかるたんぱく質を多く食べるため、満腹感が持続します。
さらにケトーシス体質になると、炭水化物をとらないので血糖値が安定し、空腹を感じにくくなります。
食後に眠くならない
食後に眠気を感じるのは、炭水化物を食べることでインスリンが働き、一時的に体内のブドウ糖が不足することが原因です。
ケトジェニックダイエットは、食後の血糖値が上がりすぎないので、食後の睡魔を防ぐことができます。
ケトジェニックダイエットのデメリット
ケトン体に慣れないうちは、頭がぼーっとする
ダイエット開始直後の脳は、ケトン体に慣れていないため「ブドウ糖が足りない!」と信号を送り、頭がボーっとしたり糖質が足りなくてイライラすることがあります。
脳がケトン体に慣れると治まりますが、慣れるまでは数週間~数カ月、症状が続くことも。
息が臭くなることがある
ケトジェニックダイエットをした全員に起こるわけではありませんが、体質によってはケトン体の一種「アセトン」が原因で口臭が臭くなることがあります。
体調不良の可能性
炭水化物は体内で水分がキープする働きがありますが、炭水化物を制限すると体内の水分が減ってしまい、脱水状態を起こしやすくなります。
この脱水状態で起こる様々な症状のことを「ケトフル」といい、頭痛や吐き気、疲労感、めまいなどの症状があらわれることも。
便秘になりやすい
炭水化物には食物繊維が多く含まれているめ、制限すると便秘になりやすくなります。
野菜や海藻でたっぷり補うことが必要です。
ケトジェニックダイエットは専門家の意見が割れている
ケトジェニックダイエットは、比較的新しいダイエット法のため、充分な研究が行われていません。
そのためまだまだ実証データが少なく、専門家の意見も割れています。
- 糖質よりケトン体を使うことで、メンタルやエネルギーのレベルが改善される
- 炭水化物を食べすぎるとインスリンが分泌されるため、血糖値が乱高下し身体にストレスを与える
- ケトーシス状態になれば、インスリンが暴走しないので血糖値を正常に保てる
- ケトン体は酸性のため体内の酸を中和しようと、骨からカルシウムが溶け出してしまう
- ケトン体は非常用のエネルギー源なので、長期間それをエネルギー源にすることは想定されていない
- ケトジェニックダイエットは、食事バランスが悪く、動物性の食品ばかり食べているとがんや糖尿病など病気に対する抵抗が下がる
- 長く続けることが難しく、1年ほど継続すると低脂質ダイエットの減量効果とほとんど変わらなくなる
- ケトン体ダイエットを長く続けるほど、筋肉量が減る可能性が高くなる
- 極端な食事法なので、心臓病の人や糖尿病の人向きではない
- 果物・野菜の摂取量が減るため、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足する
- 脂肪の多量摂取で、コレステロール値が上がる
- 大量の脂質とタンパク質を代謝するため、肝臓と腎臓に負担がかかる
すぐに減量できる可能性が高いケトジェニックダイエットですが、健康・体調面には不安が残ります。
ケトジェニックダイエットに挑戦する場合は、1週間、2週間などの期間を決めてチャレンジすることをオススメします。
まとめ
ケトジェニックダイエットとは、摂取カロリーの70%以上を脂質、タンパク質は15~20%、炭水化物は5~10%のバランスで食事をとるダイエット方法です。
ケトン体が血液中に増えたケトーシス状態になると、脂肪をエネルギーとして使うため、減量することができます。
ケトジェニックダイエットには細かい食事制限がありますが、減量以外にも空腹を感じにくくなる・食後に眠くならないという効果も期待できます。
しかし、メリットばかりではありません。
頭がぼーっとする・息が臭くなることがある・体調不良の可能性・便秘になりやすいというデメリットも。
また比較的新しいダイエット法のため、専門家の意見も割れていて健康への悪影響が指摘されています。
大幅な減量が期待できるケトジェニックダイエットですが、長期的なダイエットはオススメできません。
挑戦する際は、1週間、2週間などの期間を決めて、短期的に行ってください。
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